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「シンガポールのロナルド・マクドナルド・ハウスを訪問しました!」

2017年08月10日 (木)

東大ハウス

東大ハウスの広報チームに所属するボランティアさんがシンガポールのハウスを訪問されました。とっても分かりやすい報告をぜひご覧ください!

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皆さんは「シンガポール」にどのようなイメージをお持ちですか? 口から水を吐くマーライオン、巨大な船がのったユニークなホテル・マリーナベイサンズ、世界大学ランキングで上位にランクインするシンガポール国立大学、エキゾチックな料理の数々など……先進的ながら文化的にも豊かなイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。

人口は約560万人。国の成り立ちから、主に中華系・マレー系・インド系の住民が共生する多民族・多文化国家です。マレー半島の先に位置し、その面積は東京23区を一回り大きくしたほどの小さな国ですが、1人あたり GDPは日本を上回る大変パワフルな国です。そんな東南アジアをリードする国・シンガポールの中核病院の一つであるNational University Hospital(シンガポール国立大学病院、以下NUH)には、最先端の医療技術を求めて周辺国から治療に訪れる患者さんも多くいます。

ハウスとファミリールームはNUHの小児病棟一角にあります。まず、2013年1月にハウスが誕生しました。PICU(小児集中治療室)およびHigh Dependency(高度看護病棟、HD)の廊下を挟んだ反対側にあり、徒歩30秒もかかりません。入院するお子さまのそばでご家族が宿泊できる、大切な場所になっています。

さらに2016年1月にファミリールームが誕生しました。前年に、もともとPICU11床だった病棟にHDが7床追加され、スペースの都合で訪問者エリアが廃止になり、看護するご家族のニーズを受けて開設されました。ハウスとほぼ同じエリアにあり、やはりお子さまに大変近い場所で体を休めることができます。

ハウスの清潔で洗練された内装の居室は、まるでホテルのようです。最大2名までの居室にはシャワー、トイレ、洗面台、クローゼット、TVが完備されており、Wi-Fiも使えます。さらに、キッチン、ランドリー、ダイニング、リビング、そして子どものためのプレイルームもあります。また、ソフトドリンクや牛乳、パン、インスタント麺、フルーツやスナックなどの軽食が無料で提供されている他、利用家族には病院内のフードコートで使えるプリペイドカードも支給されます。

ベッドルーム

特徴的なのは、宗教に配慮されている点です。冒頭の説明のように、多文化なシンガポールではイスラム教のご家族も少なくなく、キッチンの調理器具やカトラリーなどはムスリムの方用に分けられています。祈祷室(お祈りする部屋)は病院内に別途あるとのことでした。

机引出

しかし、土地が貴重なシンガポールでは用地の確保が難しく、ハウスの部屋数は4部屋のみ。稼働率がほぼ100%であるのが課題の一つです。

ファミリールームは休憩室のため、ベッドや個室はありません。しかし大きなソファ、食事をとるためのテーブル、冷蔵庫、飲み物やスナックが用意されています。さらに専用のトイレとシャワー、そして清潔なタオルとアメニティも用意されており、ゆっくり体を休ませる環境が整えられています。夜間の利用も可能で、大きなリクライニング・ソファで仮眠をとることもできます。

ファミリールーム

ハウス、ファミリールームともに、入り口には支援者の名前が刻まれた「感謝の樹」があります。ハウスは「木」のデザインですが、ファミリールームは少し違うデザインに、ということで空を飛ぶ「テントウ虫」がその役割を担っています。明るくかわいらしい雰囲気に癒されます。

ハウスの利用は無料です(預かり金のみ)。利用を希望する場合は医師経由で申し込みをします。しかし、部屋は4部屋しかないため、ポイント制によりPICUの患者ご家族が優先されるとのことです。たとえば、お子さまの病状が安定してPICUからHDに移動した場合、別のPICUの患者ご家族と入れ替えになることがあるとのことでした。

また、ハウスではシンガポール人以外の国籍の方も受け入れています。たとえば2015年一年のハウスの利用者のうち、シンガポール人は約75%で、残りはインドネシア、マレーシア、その他の国の方たちでした。

シンガポールでは、Institution of Public Character (IPC)という公共性の高いチャリティ団体という認定を受けると、この団体への寄付者が減税を受けられます。つまり、より寄付を受けやすくなります。しかし、IPCの認定を受けるとシンガポール人以外の受け入れが制限されてしまうため、現在シンガポールの財団はこの認定を受けていないとのことです。

ハウスの運用には約80名のボランティアが活躍しています。掃除は病院の業者によって行われますが、共有部分の整頓、食べ物や洗剤などの補充はボランティアの仕事です。また、日本と同様に、チェックインとチェックアウトの対応、さまざまな事務処理の補助やイベントなどのお手伝いをされています。

シンガポールのボランティア・メンバーの大きな特徴の一つに、外国人が約半数を占めているという点があります。もともとシンガポールは外国人在住者が約4割を占める国ですが、駐在員在住者の中で欧米駐在員の家族のグループ(主に奥様のネットワーク)の存在が大きく、このネットワーク経由で多くのボランティアが集まるとのことでした。

ハウスの運用には企業のサポートも欠かせません。寄付、飲食物や物品の提供、清掃、募金活動など、企業がさまざまな形でハウスを応援しています。(あいにく、病院のルールにより、シンガポール国家環境庁(NEA)の許可がない業者の食べ物の提供や、一般の方の調理するミールプログラムは実施できないそうです。)ここシンガポールでもマクドナルド社の支援は大きく、たとえば2015年はハッピーセットの売り上げ、マックハッピーデー・イベント、店頭の募金箱からの寄付などにより、ハウスの運用コストの約58%を補ったとのことでした。

今年、2017年中には2つ目のファミリールームがInstitute of Mental Health(国立精神病院、IMH)に誕生します。シンガポールでも「第二のわが家」の支援の輪が広がっています。

Ronald McDonald House Charities(R) SingaporeのLeonard Liuさんよりメッセージ
「ロナルド・マクドナルド・ハウスは、シンガポールでも日本でも同じ活動をしています。日本の皆さんの活動は、日本に限らず世界中のハウスの支援とつながっています。ここでのボランティア経験は大変貴重です。ぜひ活動を続けてみてください。」

ダイニング

取材後記:
今回のシンガポールのハウス訪問では、ご利用家族のお子さまを思う気持ち、支援者の皆さんの病気と闘う子どもやご家族を応援したいという気持ちは、国や民族、文化に関係なく、どこに行っても同じものだということを改めて実感しました。

ご利用家族からの感謝のメッセージには、ハウスを利用した他のご家族との交流が大きな支えになった、という一文がありました。ハウスは「第二のわが家」であり、そしてコミュニティとしての役割も果たしています。最後にLiuさんからいただいたメッセージのように、私たち日本のボランティアが日本のハウスを支援することで、国を超えて世界中のハウスのご利用家族を応援していければと思いました。

※シンガポールの財団の活動の最新情報はFacebookに掲載されています。ぜひご覧ください。
https://www.facebook.com/RMHCSG/

東大ハウス ボランティア 原田

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