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STORY20

せたがやハウスと
ともに歩んだ12年
そしてこれからも
「温かなハウス」を
ボランティアさんとともに

ハウススタッフ

峯田 洋一さん

ハウスマネージャーに
着任して12年
峯田マネージャーが一番
大切に考えていることとは

せたがやハウスは2001年12月にオープンし、2020年までの利用家族数は延べ14,612家族を受け入れています。私は2009年4月にせたがやハウスにハウスマネージャーとして着任し、今年で12年目を迎えます。
ハウスマネージャーの仕事は多岐に渡ります。利用家族の対応から、スタッフ、ボランティアの採用、育成、ハウスを支えてくれる支援者の開拓、病院との連携、最近ではコロナの感染防止対策なども行っています。
ハウスマネージャーとして、私が一番大切だと考えていることは、スタッフやボランティアが安心して楽しく笑顔で仕事をすることができる雰囲気を作ることだと思っています。何故なら、ハウスを支えて下さる「人」を大切にしたいからです。そして、ハウスは患者家族のためにあることを絶対に忘れずに、それを他のスタッフやボランティアに常に発信し続け、「せたがやチーム」として、みんなで1つになって活動していきたいと考えています。

利用ご家族から学んだ、
話を聴き寄り添うことの大切さ

ご家族には、まず、しっかりと話しを聴くことができることが寄り添うことの第1歩であると思います。

今まで、せたがやハウスで受け入れたご家族の中で今も心に残るご家族がいます。
2017年9月にインドネシアから来日し、1歳の女の子が小児がんの治療のために成育に入院、ご両親がハウスを利用されました。お母さんはインドネシアの方で、20代後半の若いママ。お父さんは日本の方で、お母さんとは50歳以上年齢が離れた方でした。治療は、2020年3月まで続き、その間、ご家族は入退院を何回も繰り返し、ハウスの利用は約3年間で合計21回にもなりました。3年間の治療の結果、お子さんは元気に退院できるまでになり、ハウススタッフみんなでほんとうに嬉しく思いました。そして、退院後、お父さんから思わぬ相談を受けました。お子さんの日本国籍を取得したいので、すぐにインドネシアに帰らず、しばらくの間、日本に滞在したいので住む場所を探したいということでした。お父さんの年齢のこともあり、また、どこで家を探せば良いのかも判らないとのことでしたので、病院のソーシャルワーカーさんとも連絡を取りながら、私が不動産屋を探して、そして物件の申し込みのサポートまで行い、その結果、神奈川県横浜市に住むことが叶いました。その後、無事に日本国籍を取得され、お子さんは日本の幼稚園に入園もし、制服姿でハウスを訪れてくれました。その時は、この仕事をしていてほんとうに良かったと思える瞬間でした。その時のお父さんとお母さんの笑顔がとても印象に残っています。

インドネシアからはるばる治療に せたがやハウスでくつろぐご家族の様子

温かいご支援のおかげでより多くのご家族の受け入れが可能に

せたがやハウスは、2014年までは21部屋での稼働でしたが、2015年に2部屋増室し、現在は23部屋での稼働となっています。国立成育医療研究センターで高度な治療を受けるために、全国から多くの患者がせたがやハウスを利用しています。私が着任した2009年は118家族が満室のためにハウスを利用することができない状態で、2013年には、それが175家族にもなっていました。そこで、病院、世田谷区、ボランティア、利用家族、支援者、財団事務局が多くの方々のパワーが1つとなって、約1年間をかけて約3,000万円の寄付を集め、増室工事を行い、23部屋での稼働となりました。寄付の呼びかけを開始した当初は、これだけの寄付を集めることができるのか不安でしたが、多くの皆様の温かなご支援のおかげで、無事に2部屋の増室とエアコンの入れ替えをすることができました。


ボランティアさんから学んだ
“オープンマインドで愛情をもって活動すること”の大切さを胸にこれから先20年も

ハウスの活動でボランティアさんの存在はなくてはならない存在です。ボランティアさんは「自分の行動が誰かの役に立てれば」というとても純粋でオープンマインド、そして深い愛情を持って活動されています。そんなボランティアさんの活動を見て、ハウスマネージャーとして「どうなりないか」ではなく「どう在りたいか」をしっかりと考えることができるようになりました。人間として成熟し、常にオープンマインドで愛情を持って活動することが一番大切であることに気付かせてくれたのです。ハウスに関わる全ての人が「どう在りたいか」を考えることで、ボランティア文化の成熟度が高まり、ご家族にとっての「温かなハウス」を作ることができると確信しています。ボランティアさん、20年間ほんとうにありがとうございます!
これからも「温かなハウス」をボランティアさんといっしょに作っていけるよう頑張ります!これからもよろしくお願いいたします!

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お話しを伺った人

峯田 洋一さん
せたがやハウス ハウスマネージャー
 
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ハウスは温かい気持ちの
詰まったありがたい存在
ハウス利用者松林 瑠美子さん