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STORY20

ハウスは日常と非日常を
行ったり来たりの
私たちに日常を
思い出させてくれた
安心できる場所

ハウス利用者

平松 裕子さん

慣れない新婚夫婦から予定より早くママになった日

息子の和樹は2014年7月に出産予定でしたが、急に破水し5月に生まれました。
まだ新婚で夫婦としても慣れていない中、私は2か月早くママになったのです。

生まれる直前に和樹の心臓には穴が開いていることが分かり、抱っこできないままNICUに入りました。生まれて来てくれて嬉しい!気持ちと、先の見えない不安な気持ちが入り交ざり、保育器の中で眠っている和樹を見て、私たち夫婦はこの子を元気にするために何ができるんだろうと悩みました。そんなとき担当の先生に「ミルクを持って和樹くんを応援しに来てください!パパとママがいること、和樹くん分かってますよ。」と元気付けられ、病院から最も近い東大ハウスに滞在して、毎日病院に母乳を届けにいくことにしました。

その日を乗り切るのが精一杯の日々の中、ハウスで過ごした毎日は楽しい思い出に
和樹は体が小さかったため心臓の手術がすぐにできず、約5か月間入院しました。


その間、私たち夫婦はハウスで目覚め、ごはんを作って、主人を会社に送り出し、そのあと和樹の顔を見にいく。主人が帰ってきたら今度は一緒に和樹に会いに行って・・・という日々を送っていました。刻々と変わる息子の容態に一喜一憂し、その日を乗り切ることに精一杯の毎日でした。ハウスから病院までの道すがら、主人と「明日は元気になるかな、和樹のために何をしようか」といろんな話をしました。
でもいま振り返ると一番苦しく大変な時期だったのに、ハウスで過ごした時間は楽しい思い出としてよみがえってきます。
それはハウスが、日常と非日常を行ったり来たりしている私たちに日常を常に思い出させてくれる安心できる場所だったからだと思うのです。スタッフの皆さんが、「宅急便が届いていたから受け取っておいたよ」「今日はボランティアさんが晩御飯を用意しているから食べてね」など何気ない声掛けをしてくれて、不安な気持ちの私たちをずっと見守ってくれていました。
さらに私たちはハウスに滞在している同じ境遇のご家族にも支えられました。同じ時期にハウスに滞在し、同じ時間を過ごしたお母さん達とは今でも連絡をとりあい、互いの子どもの成長を楽しみにしています。

小学生になった現在の和樹君とご両親

そして現在、裕子さんの願い…

和樹には自分の可能性を信じていろんなことにチャレンジして欲しい
こんな風に多くの人たちに助けてもらって成長した和樹。小学生になったいまは、ベイゴマのおもちゃ”ベイブレード“にはまっています。生まれつき左手が肘までと短いのですが、アゴや肩を使い自分流のやり方をみつけ工夫してお友達と遊んでいます。これまでも入院生活を乗り越えてがんばってきました。これからも自分の可能性を信じ持てる力をフルに使って、いろんなことにチャレンジするような大人に育ってほしいです。


そしてドナルド・マクドナルド・ハウスに対して思うことは・・・病気の時だからこそ子どもと一緒にいたい親きょうだいを思い、寄り添ってくれるハウスの存在が、私たちのような患者家族の大きな支えです。家族の気持ちに気付いて、私たちの第2の家になってくださって心から感謝しています。これからも助けを求めるご家族を優しく、また力強く支援する存在であり続けて欲しいと願っています。
ドナルド・マクドナルド・ハウス設立20周年本当におめでとう!家族みんなで応援しています!!

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お話しを伺った人

平松 裕子さん(和樹君のお母さん)
東大ハウス利用ご家族
 
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ハウスは温かい気持ちの
詰まったありがたい存在
ハウス利用者松林 瑠美子さん