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各ハウスの「いま」をお伝えしています

病気を乗り越え、憧れの人と初対面! サッカーと神戸ハウスが繋いだ奇跡

2023年07月04日 (火)

神戸ハウス

こんにちは、「ドナルド・マクドナルド・ハウス 神戸(以下 神戸ハウス)」ハウスマネージャーです。

 

6月24日土曜日、梅雨の中休みという言葉がぴったりの晴天が照らす、香川県高松市のサッカーコート。

ここで、神戸ハウスを利用し病気を乗り越えた1人のサッカー少年が、ドナルド・マクドナルド・ハウス財団のアンバサダーである元サッカー日本代表・北澤豪さんと、奇跡の初対面を果たしました。

今回のブログでは、2人が昨年交わした熱い約束から感動の初対面までの様子を、お届けしたいと思います。

 

さかのぼる事、昨年の11月6日。ハウスを支援する「青いマックの日」に兵庫県内での募金活動を終えた北澤さんは、神戸ハウスを訪問。そこで1通の手紙を受け取ります。

「ぼくはサッカーが大好きです。病気になるまでは毎日サッカーボールをけっていました。今日は北ざわ選手に会いたかったですが、コロナで会えないです。とてもざん念です。いつかぼくのチームに遊びに来てください。ぼくもリハビリをしてチームに戻れるようにがんばります。」

この手紙を書いた少年の名前は、二木悠斗くん当時9歳。

昨年の8月に、突然意識がもうろうとなり倒れ、地元の病院に運ばれました。

検査の結果、頭部に重い病気が見つかった悠斗くんは、2度の手術をした後、兵庫県立こども病院に治療とリハビリのため入院。入院期間は約2か月にもおよびました。

慣れない県外での生活、ご家族にとっても突然目の前が真っ暗になる状況の中、お母さまは入院の付き添いのため「ドナルド・マクドナルド・ハウス 神戸」へ滞在することになりました。

自宅のある善通寺と神戸の二重生活を強いられることになったご家族にとって、北澤さんがハウスを訪問される日が非常に楽しみであり、また、悠斗くんにとってもあこがれの北澤さんに会えることが、どんなに辛い治療やリハビリでも頑張れる大きな希望となっていました。

 

ところが・・・

 

2022年10月から猛威をふるいだした新型コロナウィルス感染症第8波の影響により、悠斗くんの外出許可が下りず、ハウスに来る事を断念せざるを得ない状況に。

お母さまは落胆する悠斗くんを、「手紙を書いてみたら?お母さんが届けてあげるよ。今回は会えないけど、いつか会える日が来るかもね」と励ましました。

この言葉をきっかけに、悠斗くんは普段人に書いた事のない「お手紙」に挑戦する事になったのです。

また、この状況をお母さまから相談された神戸ハウスでは、何とか悠斗くんと北澤さんがお会いできる手段が無いかと試行錯誤し、当日、2人をビデオ通話で繋ぎ話せないかと準備に取り掛かりました。

 

しかし・・・

 

当日、病院内での電波状況が芳しくなく、オンラインでつなぐ事もできない状況に。

けれども、なんとか神戸ハウスから携帯電話で繋ぎ、ようやく北澤さんと悠斗くんが話せる事になりました。

手紙を読んだ北澤さんは、悠斗くんにサッカーについての話題をたくさん投げかけてくださいました。

「フォワードやってるの?インステップで蹴るのが得意なの?」

「質問あるの?用意してたんだよね?いくつあるの?5つもあるの??」

「ケガをした時が一番つらかったね。あと、自分のせいで試合に負けた事。」

「好き嫌いは結構あったからケガの治りも遅かったね。体を大きくするためにご飯いっぱい食べたり回数を増やしたりしたね」

「(サッカーを)やめようと思った事は一回もないからね」

「周りの友達たちはプロサッカー選手になれると思っていなかったけど、両親はなれると信じてくれていたよ。その気持ちを日本代表になっても忘れずにいたね。」

 

電話の向こうで、嬉しそうな悠斗くん。

その中でも2人が最も盛り上がった会話が、12月に行われるサッカーワールドカップの優勝予想でした。

 

悠斗くん「優勝はどこの国だと思いますか?」

北澤さん「悠斗くんはどこだと思う?」

悠斗くん「フランスかブラジル・・・」

北澤さん「いや、そこは日本って言おうよ!」

 

元日本代表と9歳のサッカー少年。北澤さんも丁寧に、優しく、そして一つ一つの言葉に「早く元気になって!」というメッセージを込めながらお話しなさっていました。

約20分間。北澤さんと悠斗くんは「いつか一緒にサッカーの練習をしよう」という固い約束を交わして電話を切ることになりました。

 

 

その23日後の11月29日。

悠斗くんは、兵庫県立こども病院での治療とリハビリを終え無事退院の日を迎えました。

それからは地元の病院での経過観察が始まりました。

その後、経過も順調で小学校にも通常通り通う事になり、また今年の春からはサッカーの練習も再開するまでに回復。

あの時に北澤さんと交わした「約束」を守るために・・・!

↑神戸ハウスにて、悠斗君とご両親

 

 

そして、ついに先日6月24日に高松市の香西西地区港湾広場緑地多目的広場で行われた親子サッカー教室で、2人は念願の初対面を果たすことになります。

この機会は、サッカー教室の開催者である株式会社タダノ様とカマタマーレ讃岐様が、北澤さんの想いに賛同してくださり、実現したもの。

天気予報では降雨も心配されましたが、当日は2人の初対面を祝うかのようにサッカー教室中は晴れ!

 

少し緊張した面持ちの悠斗くん。

「念願の北澤さんに会えるけど、どう?」 「・・・」

「緊張してる?」 「・・・」

10歳の少年にはあこがれの人、何よりも自分の事を気にかけてくれた人に会える事は病気の事を忘れるくらいの興奮と緊張だったようで、何を聞いても無言の回答でした。

 

そして、ついに2人は念願の初対面!親子サッカー教室までの道のりを一緒に歩きます。

北澤さん「退院した時の写真見たけど、大きくなったね?」

悠斗くん「・・・はい。」

北澤さん「ワールドカップの答え合わせしよっか?日本代表残念だったね」

悠斗くん「・・・うん。」

このような会話がサッカー教室まで続きました。

 

最初こそ緊張気味の悠斗くんでしたが、そこはサッカー少年。

いざ、ボールを蹴りだすと人が変わったように走り、大きな声でパスを呼び込んだり、緑の芝生の上を縦横無尽に駆け回っていました。

↑悠斗くんの元気な姿に、ハウスのスタッフも感動…!

 

 

サッカー教室も無事終わり、最後に北澤さんが2人きりのパス交換の時間をプレゼントしてくれました。

「元気になったらサッカーの練習しよう!」

半年前にした約束を、無事果たすことができたのです。

パスの練習中は北澤さんから

「フォワードだったらパスを受けた時に自分の脚で逆回転をかけて止める。そうすると次の動きもやりやすくなるし相手との間合いもとりやすいよ」

といった指導もあり、悠斗くんにとっては元日本代表のノウハウを直接感じられる非常にいい機会となりました。

 

北澤さん「今日どうだった??」

悠斗くん「・・・楽しかった!」

悠斗くんの「楽しかった」の一言にすべてが詰まっているような気がして、私たちも胸を熱くしながら高松を後にしました。

 

ドナルド・マクドナルド・ハウスが、悠斗くん、そしてそのご家族に笑顔を届けることができ、心から嬉しく思います。

これも、北澤さんはじめご協力くださった関係者の皆さま、そして日々ハウスをご支援くださる皆さまのおかげです。

 

これからも、未来ある子どもたちが幸せでありますように・・・

神戸ハウスも、引き続き頑張ってまいります!

 

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