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マネージャー日記で振り返る、日本初のドナルド・マクドナルド・ファミリールーム誕生までの日々

はじめまして、「ドナルド・マクドナルド・ファミリールーム 榊原記念病院」のマネージャーの近藤です。

昨年12月に、国内初のドナルド・マクドナルド・ファミリールームとして本施設がオープンしてから、あっという間に約3ヵ月が経ちました。手探りだった運営もようやく少し落ち着いてきたので、今回はブログを通じてオープンまでの日々を改めて振り返ってみたいと思います。工事中の様子からオープンに至るまで、当時の写真やリアルな想いなどを日記形式でご紹介します。さっそくどうぞ!

 

マネージャー日記~オープンまでの日々~

【9月某日 工事現場】

工事現場は足の踏み場も無いほど工具や資材でいっぱい。

目に入ってくるのは無機質なコンクリートの壁と剥き出しになった鉄筋、無数に伸びる配線…。工事は着々と進んでいます。

 

【10月17日 小児病棟の見学&ヒアリング】

この日は、榊原記念病院の5Fにある小児病棟の様子を丸一日(9~21時まで)、見学させていただきました。ファミリールームを利用するご家族は一日中病院の中にいらっしゃるので、私も同じように過ごしてみて、少しでもご家族の現状やお気持ちを知りたいと思ったからです。

実際に病棟で過ごすと、聞こえてくるのは絶え間ない機械音。時折、お子さんの泣き声も聞こえてきます。これが毎日、時には数週間/数か月にわたって続くと、疲れてお子さんに接する際の気持ちの余裕もなくなってしまうと思いました。ご家族が病室からひと時離れてリフレッシュし、わが子に前向きに明るく接するコンディションを整えることは、ご家族にとっては勿論のことお子さんにとっても大切なことだと、改めて実感しました。

また、この日は看護師さんや保育士さん、ソーシャルワーカーの方やCLS※の方など小児病棟に関わる12名の方から、現状の課題やファミリールームに期待すること等のお話を伺いました。(※チャイルド・ライフ・スペシャリスト:病院生活における子どもの精神的負担をできるだけ軽減し、子どもらしく過ごせるよう心理社会的支援を行う専門職)

その中で印象に残っているのは、「お子さんの入院に付き添うご家族同士のコミュニケーションがとれる場所。気持ちや情報を共有できる場所にしてほしい」というご意見と、一方で「お子さんとちょっと離れてクールダウンできる場所。子どもの前では泣けないので、ひとりで気持ちを整理できる場所にしてほしい」という、2つのご意見でした。

相反するように聞こえるニーズ…。でも、病室でお子さんと二人で過ごしているご家族にとって、不安の中でも「ひとりじゃない」と思えることと、一方で気持ちを整理する為に「ひとりになる」ことは、どちらも必要です。限られたスペースの中で、この2つをどうしたら両立できるのか…?この日は、貴重な気づきと課題を得られた1日でした。

 

【11月半ば 内装工事が完了】

ついに、工事が終わったファミリールームに足を踏み入れました!室内には、病棟の白い壁ではなくピンクがかった淡いクリーム色の壁紙があしらわれ、病院内とは思えない異空間。2か月前とは様変わりして、自宅のようにくつろげる温かい空間になっていました。利用されるご家族が、この空間でホッと一息…くつろぐ様子が目に浮かびます。

 

【11月17・21日 ボランティア説明会】

榊原記念病院の会議室をお借りし、4回に分けてボランティア説明会を行いました。

参加されたのは、病院の近くにお住まいの地域の方々。募集人数50名のところ、54名もの方々からご応募をいただきました。

参加してくださった方々は大変熱心に話を聞いてくださり、多くの質問をいただいて予定時間を大幅にオーバーする回もあったほど。ボランティアの方々の関心の高さ・熱い想いを、オープンに向けてとても心強く感じました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【11月中~下旬】 家具、電化製品等の納品

完成したファミリールーム内に備え付けの家具が設置され、冷凍冷蔵庫やマッサージチェア、リクライニングシート、コーヒーメーカー、電子レンジなどの電化製品等も次々と納品されてきます。ハード面は、いよいよ完成に近づいてきました…!

 

 

【11月28日 第1回運営委員会を開催】

運営に関わる基本事項を審議するため、運営委員会が開かれました。運営委員の選任や各種規程についての最終決定を行い、無事、施設の運営に関する骨格が固まりました。

さらに具体的な運営準備についても、スタッフトレーニングやマニュアルの確定を急ピッチで進めます。

そして、目前に迫った開所式の準備も…!皆で協力して乗り切ります。

 

【12月4日 開所式】

榊原記念病院で行われた開所式には多くの関係者の皆さまにお集まりいただき、加藤鮎子こども政策担当大臣と東京都医師会の尾﨑治夫会長から、ご祝辞をいただきました。また、TeamDMHCアンバサダーの俳優・石田ひかりさんも登壇し、テープカットセレモニーや、榊原記念病院の小児循環器科の医師を交えたトークセッションを実施。国内初のドナルド・マクドナルド・ファミリールームへの期待を感じさせる式典となりました。

開所式にはNHKなど13媒体のメディアが駆けつけ、日本初のドナルド・マクドナルド・ファミリールームの誕生は、TV・新聞・WEB・雑誌で大きく報道されました。

 

【12月5日~7日 内覧会~いよいよオープン目前!~】

オープンの直前、3日間にわたり病院スタッフの方々を対象に内覧会を行いました。3日間の参加者は200名を超え、想定を大きく上回るスタッフの皆さまがファミリールームへ足を運んでくださいました。各部署の様々な職種の方とお話をする機会をいただき、それぞれの視点から、ファミリールームの運営へのアドバイスもいただきました。

病院のスタッフの皆さまの関心の高さを心強く感じるとともに、たくさんのアドバイスや温かいエールをいただき、私たちスタッフ・ボランティアにとっても、たいへん有意義な3日間となりました。

 

【12月8日~ついにオープン!~】

9時のオープンには、ボランティアさんとスタッフが緊張した面持ちでスタンバイ。9時半前に最初の利用ご家族が来訪した後は次々とご家族が訪れ、ご家族同士で会話される様子や、おひとりでコーヒーを飲みながらホッと一息つく様子が見られました。

緊張や不安もありましたが、実際にファミリールームでリフレッシュをしているご家族を見ると、この施設ができて本当に良かったと改めて実感しました。

 

オープン後のファミリールーム

こうして無事オープンを迎えたファミリールーム。

12月は74家族・1月は89家族・2月は87家族が利用され、総利用時間は合計で約397時間にもなりました。利用1回あたりの平均滞在時間は10~15分ほどで、付き添いの合間に短時間・1日複数回という形で利用される方が多い傾向です。一方で、時間が許すタイミングでマッサージチェアなどで30分以上ゆっくりされる方もいらっしゃり、それぞれのニーズに合わせてファミリールームを活用くださっているようです。

また、ご家族に利用した感想などをアンケートでお伺いしており、その一部をご紹介いたします。

<アンケート>

■手術の不安等があり親はかなりのストレスがあります。そんな中、このファミリールームの存在は安らげる空間で、軽食やドリンクをいただけるのも大変ありがたいです。また、ボランティアの方にも丁寧に温かく接していただき大変感謝しています。

■子どもの近くにいても違う空間に行けるので嬉しいです。不安な時や行き詰った時に1分でも行けて気持ちを切り替えて頑張れます。

■前回の入院では体調を崩してしまい数日、付添いができなくなってしまいました。今回はファミリールームのお陰で息抜きができて最後まで頑張れそうです。また、同室の人ともコミュニケーションをとることができました。

オープン前、ご家族のためには「一人になれる」と「誰かと話せる」を両立させたいと考えていたので、それぞれについて感謝の声をいただけたことを、とても嬉しく感じています!こういった声を励みに、今後も利用ご家族のためにどんなサポートができるか考え、より良いファミリールームにしていきたいと思います。

そして、いつもファミリールームを支えてくださる病院スタッフの方々やボランティアの皆さま、ご寄付や物品寄贈をしてくださった全国の企業・団体・個人の皆さま、本当にありがとうございます!これからも頑張ってまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

 

これからのファミリールームのために、皆さまへのお願い

ファミリールームの運営は、皆さまの寄付・募金で成り立っています。ぜひ、温かいご支援をよろしくお願いいたします。

■寄付・募金はこちら(ご寄付は、使途にファミリールームをお選びください)

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また、ファミリールームのX(旧Twitter)では、活動の様子や、物品寄付の募集・ボランティア募集などの最新情報を日々発信しています。こちらのフォローも、ぜひよろしくお願いいたします。ファミリールームの情報を拡散いただくことも、大きなサポートです。

■ドナルド・マクドナルド・ファミリールーム 榊原記念病院公式Xはこちら

 

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

今後も、病気と向き合う子どもとそのご家族のために、ファミリールームへの温かい応援をどうぞよろしくお願いいたします。

それでは!

 

 

 

 

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